フルコミットしない働き方
フリーランスという働き方、調べれば調べるほど魅力的だと感じています(以下の記事参照)。早まったことをしそうになりますが、金銭的な面や、相手がいることですから、相手のメリット等はあるのか、落ち着いてもう少し考えてみました。
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フリーランスへの憧れが強くなったことで、副業でやっているコンサルティングの仕事のボリュームを増やせればいいなぁと考えました。しかし、そもそもこの副業を増やさない理由が、本業への圧迫を最小限にしたいということ、有給をある程度確保しておきたいということでした。ただ、この記事を書いてい居る時点で、3社目にもう長く居る気持ちにはなれなくて、本業であるサラリーマンの方を規模縮小したいと考えています。
完全にフリーランスを目指すのではなく、フリーランスとサラリーマンのバランスを取った働き方、言い換えると、サラリーマンとしてフルコミットしない働き方について考えてみます。
フリーランスと社会保険
前の記事でも書いたように、本業を業務委託化し、勿論秘密保持等に抵触しない範囲で、個人事業を拡大させるという選択肢を真面目に考えてみようと思います。しかし、完全にサラリーマンであることを辞め、個人事業主となった場合、社会保険の観点で負担が大きくなります。端的に言って、社会保険等は会社員の方が有利です。サラリーマンは社会保険料を会社と折半して支払いますが、サラリーマンを辞めて国民健康保険と国民年金に切り替えると、そちらは全額自腹となります。
自分で法人を設立し、そちらで社会保険に加入するという方法もありますが、それは会社名義と個人名義で折半しているだけです。自分が経営する会社の資産は自分の資産と言えますから、結局全額自腹ですよね。ですので、フルタイムでなくても許してくれる企業があれば、そこに在籍しながら、個人事業(業務委託)もそれなりのボリュームでやる、という形が理想的かなと考えています。
ただし、社会保険料は「主たる事業所」を選択して「轄する年金事務所または保険者等を決定」したうえで、各事業所で受ける報酬月額を合算した月額により標準報酬月額が決定されます。そして、決定した標準報酬月額による保険料額を、それぞれの事業所で受ける報酬月額に基づき按分します。ですので、自分の法人から役員報酬を支払えば、どこかの企業のサラリーマンであったとしても、社会保険料の負担は増えます。
フルコミットしない社員を雇うということ
では次に、フルコミットしない社員を雇うことで、企業側にメリットがあるか考えてみます。先に結論を言うと、その方が企業としてもありがたいのではないかと思っています。
フルコミットしたくない気持ちが勝って、もはや私の勝手な思い込みかもしれませんが…。
というのも、フルタイムで雇うと、その人やその家族の人生まで丸抱え、と言ってはなんですが、会社が責任を負うことになるように思います。
企業によってはそんな風に思わないかもですが…。
それに対して、例えばその企業へのコミットを60%程度にすれば、残りの40%は、その人の責任で別の仕事をしてくれるわけですから、企業側の負担が軽くなります。一方で、コミット割合を減らしたからといって、その人から提供される知識やスキルの質が下がるかというと、そうではありませんよね。
確かに割いてもらえる時間は短くなりますが、知識やスキルのクオリティが下がるわけではありません。ですから、コミット率を減らして浮かせたコストで、別の知識やスキルを持った人を採用できるわけです。その方が、企業としてもメリットが大きいのではないでしょうか。
デメリットとしては、管理がややこしくなるということはあるでしょう。コミット率60%の人がいつ出社するのか、そういった人達が複数いる中で、会議をスケジューリングするなど、マネジメントサイドの負担は大きくなるかもしれません。それでも、web会議ツール等も普及していますし、テクノロジーが進歩したおかげで、こういったデメリットは小さくなっているように思います。
それでも、デメリットを補ってあまりメリットがあるようにしか見えません。多くの企業ですぐに取り入れて欲しいです!といった自分勝手な考えを持ちまして、こんなわがままに付き合って下さる企業さんをみつけられないかなと、最近は考えています。
フルコミットしない会社との関係性
ちなみに3社目は退職し、もし望まれれば業務委託として仕事を受けようと考えています。その方が、私の精神衛生上も大変良いと思っています。なんせただの業務委託ですから、会社の組織がどう変わろうが、関係ありません。いくらアドバイスしても、設備導入や組織変更、その他諸々動かなくても、モヤモヤすることもないでしょう。例えば、設備導入しないために仕事が滞ったとしても、もうそこに属していない以上、自分に委託された仕事を全うするだけです。
組織が変わらなくとも、委託された業務に遂行にはさほど支障はないはずです。私はただ、彼らが求める知識やスキルを提供するだけ。それをうまく使えるかどうかは彼ら次第といった、1歩、いや2、3歩下がった対応が可能だと考えています。
なんて素晴らしい関わり方!想像しただけで気分が上がります。
今の会社の仕事なんて、知識とスキルの提供の部分だけ切り出したら、今の業務量の1/3程度で何とかなりそうです。それで給料半分くらいでも全く文句言いません。というかウェルカムです。残った2/3を別の企業に属して仕事をする、さらには個人事業に充てて、半減した給与を補えれば十分です。勿論雇用が不安定になることは承知しています。というか、自慢ではありませんが、今でも十分不安定ですからね…。
加えて言えば、以前の記事でも述べたように、物品の手配や納品処理、輸出管理、薬品在庫管理、安全活動、居室の掃除等、研究の本質ではない業務から解放されます。勿論、個人の会計処理など、増える業務もあるでしょうが、その業務をこなすうえで身につくスキルは、ある企業のシステムでしか使えないスキルではないので、自分の財産になります。そう考えると苦になりません。
フルコミットしないことの不安
ちょっと明るい側面ばかりにフォーカスしましたが、勿論懸念事項はあります。それも結構重いやつが…。まず、3社目を退職したところで、3社目が業務委託をしてくれるとは限りません。まぁそれならそれで、スッキリできて大変良いです!進んで関わりたいとは思いませんし!
とはいえ、収入面では大きなマイナスですから、目指していたFIREから大きく遠のいてしまいます。さらに、フルコミットしなくても良い会社を見つけるのがなかなか大変だと思います。「そういった雇用形態を認めてくれている企業」という条件を付けただけで、個人的な感覚ですが、求人案件数が1/10くらいになりそうです…。
あと最大の懸念は、個人事業をそこまで伸ばせるかという点です。個人事業を始めた時の記事でも言いましたが、営業活動なんかはやらず、口コミだけでやっていますので、どう広げていくべきか考えなくてはいけません。あと、これも別の記事で言いましたが、コンサルティングした結果、クライアントのお悩みが一度解決してしまえば、業務の性質上それきりなのです。恒常的にニーズが発生するものではありませんから、継続的に回していこうとすると、どうしても新規開拓が必要になります。
ということで、これらの課題を解決するために、業務上知り合ったコンサルタントさんとお話をすることにしました。その方は、色んな企業のコンサルタントというかアドバイザーをやっている、何とも言えない謎の多い人です。どうやってそんなにたくさんの企業と繋がっているのか、一件当たりの仕事のボリュームや報酬など、色々とお聞きできればと考えています。私のコンサルティング業務にもきっと参考になるかと思います。
そのような、何か有益な情報が得られればありがたいのですが、何ならお客さんを紹介いただけたりしないかと、甘すぎる期待も実は持っています。
コンサルタントさんとお話しした結果については、また別途記事にしたいと思います。いずれにせよ、方向性は決まりました。3社目を退職して、フルコミットしなくてもよい企業に勤め、個人事業主としても活動するつもりです。たとえ収入が下がったとしても、新しい働き方への楽しみの方が強いです。今後、こういった働き方がもっと増えていくのだろうなと思いました。