突然手に入れたお金
FIREを達成するためには、資産運用は不可欠です。とにかく複利の効果を最大限に生かすことが重要だとういうこと、種々ある金融商品の中からどういったものを選択するかということ(あくまで私の選択)について、以下の記事でお話してきました。その中で、こういった投資に対する熱が高くなったのは、2社目に転職するタイミングだと言いましたが、実はその前にも投資をしたことがあります。今回はその話をしたいと思います。
-
関連記事資産運用と時間
続きを見る
-
関連記事投資商品を選ぶ
続きを見る
私が一番最初に経験した投資は、外貨預金と株式投資(個別株)です。それは私が二十歳になった時でした。私が19歳の時に父親が亡くなり、保険金を受け取りました。今から思えば、それ程の額ではありませんでしたが、それでも当時の私にとっては大金でした。とはいえ、今後の自分の学費をそこから賄わなくてはいけませんから、無駄遣いするわけにはいきません。そこで私は、
「銀行に預金しておいても、利息は二束三文!」
「自分で運用して増やそう!経済の勉強にもなるはず!」
と考え、二十歳になって直ぐに証券口座を開設しに行きました。その口座に50万円程預け、その足で今度は銀行へ。外貨預金口座を開設し、米ドルを100万円分購入しました。
甘い目論見で個別株を買う
投資額は、総額で大学卒業までの学費相当分程度だったでしょうか。受け取った保険金の半分近くを投資したような気がします。今から考えても恐ろしいことをしていましたね…。(もし全部溶かしてたら、大学辞めてたのかな…。)そして手を出した金融商品は個別株でした。当時は、
「投資信託なんて、運用を他人に投げてしまうもので、全く勉強にならない!」
などと一丁前なことを言っていたのです…。初めて買った株は、確か2種類でした。化学系のバックグラウンドであったことから、その分野で強く、将来性のある銘柄を選びました。ひとつはP&Gです。ろくに財務諸表も読まず、
「株なんて人気投票、今より人気が出そうなものを買って、人気が下がるかもと思ったら売れば良い」
などと、甘い考えを持っていました。もうひとつの銘柄は何だったか、ちょっと覚えていませんが、東レとかだったかな?ともかく2社の株を、どこまで、どれくらいの期間でどれくらい上がるという、目標設定もなく、ただ保有していました。
長く続かないビギナーズラック
株を買ってからは、毎日値段が気になって、学校から帰っては終値をPCでチェックするということをしていました。そして、値動きを見て一喜一憂する日々でした。ビギナーズラックだったのでしょうが、P&Gの株は値が上がりました。特に目標設定もなかったので、本当はもっと上がると想定できたかもしれませんが、20%程の含み益が出た際に売り、利益を確定しました。
こうして、特に労働することなく、当時の私のアルバイト代(飲食関係)の数十時間分のお金を簡単に得るという経験をしてしまったわけです。一方で東レ?の株もP&Gまではいかないまでも、多少の含み益が出ていました。同時に、外貨預金の方にもビギナーズラックがあり、日本円で100万円相当の米ドルが約120万円相当程度になりました。またまた、結構な額の不労所得を得てしまったのです。
こんなことが続けば、どうしても調子に乗ってしまいます。自分には時流を見抜くセンスがあると勘違いし、増えたお金を、また大した根拠もなく選定した個別株に投入しました。そして見事に値下がりを経験しました。それでも、
「また値上がりしてから売れば、損はしない」
といった甘い考えをし、損切りすることの大切さを学ぶどころか、寧ろ
「値下がりしてくれてラッキー!」
「この株はきっと上がるのだから追加で購入しよう!」
などとナンピン買いする始末。ご推察の通り、その後大きく値を戻すことなく、含み損を抱えることになりました。しかし、当時の私には損切りという概念がありません。早速塩漬けを経験することになるわけです。それでも、やはり負けを認められない、自称若手投資家。
「外貨とP&Gの利益を考えれば、まだプラス!自分なら勝てる!」
と根拠のない自信を持ち、何かの経済本で読んだ、良く知りもしない銘柄に投資し、結局そのプラスも帳消しに…。
学びのなかった初めての投資
若気の至りとはいえ、本当にお恥ずかしい限りです…。どうせなら、ここで大きく資産を減らして、とことん痛い目を見ればよかったのかもしれません。この経験から、
- ちゃんと財務諸表を見る
- 株を購入する時は目標額(目標時期)を決める
- 損切りラインをちゃんと引く
- 自分で根拠を持てない銘柄は買わない
- そもそも個別株は簡単ではない
- 下手なナンピンは危険
などなど、たくさんの重要な学びが得られたはずなのですが、ビギナーズラックのおかげで、損をせずに済んでしまったために、この学びも身に付きませんでした…。こうして、軽くオイシイ思いをし、軽く痛い目を見て、特に学びを得ることなく、私の投資デビューは終わったのでした。勉強というにはあまりに稚拙な、私の経済のお勉強でした。
その後は、学業も忙しくなり、投資熱もいつの間にやら冷めてしまいました。時々、思い出したように塩漬け銘柄の価格をチェックしたりはしていましたが、特に売買することもなく過ごしていました。その次に投資を再開したのは、私が1社目に就職してからのことです。では、そのお話はまた別途記事にします。