転職のきっかけ
初めて購入したマイホームに入居するも、以下の記事でお話ししたように、転職を理由として、すぐに転居することになりました…。
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当時は共働きだったのですが、妻が体調面でも精神面でも仕事が辛くなっていて、
と言うようになったことがきっかけです。その時に購入した物件を選んだ理由は、
- 子供は作らないから、この間取り、広さで十分
- 共働きなので、多少価格が高くても、駅チカで便利なところで良い暮らしを
という条件に合わせていたので、今回の妻の希望とは真逆の状態でした。妻の希望を全て叶えるためには、家を変えないといけないし、私の年収も上げないといけないなと思い、転職を決意したのです。
ただ、「妻がそういったから転職しました」と言うつもりはないです。以下の記事で書いたように、1社目の環境には非常に感謝していましたが、 そこ以外の世界を経験したいという気持ちも私ありましたので、きっかけは妻の希望だったかもしれませんが、勿論私も納得したうえで転職活動を始めました。
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特に外の世界を経験しておきたいと思ったのは、ちょうどLIFE SHIFTを読んでいたからということが実は大きいです。当時の自分のアセットが何であるか、今後どうやってアセットを増やしていくべきか、人生を大きく変える決断を後押ししてくれた本だと思います。キャリアアップしたり、不動産賃貸業を始めたり、副業もしていたりと、今この記事を書いている自分になれたのは、その本の影響が本当に大きかったと感じています。大ベストセラーなので、多くの方が読まれているかと思いますが、まだの方は是非。
条件に合う転職先候補
ではどういった条件で転職先を探すかですが、前述の通り、私の年収をもう少し上げる必要があると考えた結果、現在よりも高年収が得られることが第一の条件になりました。それにはやはり、1社目の経験が活かせるところでないと難しいと思いました。未経験の人材に、多く支払ってくれる会社もないでしょうから。この2つの条件を満たす選択肢は、そう多くはありませんでした。まず1つは、外資系メーカーです。やはり日本企業よりは払いは良いです。そして、私の研究分野の人材を求めてもいました。
次の選択肢は、商社でした。日本企業でありながら、メーカーではなかなかお目にかかれない年収レンジが設定されていますので。2つ目の条件(経験が活かせる)満たしてなくない?と思われるかもしれません。実際、私もそう思っていました。ですが、転職エージェントが言うには、商社は投資する分野について精査する必要があり、その分野の技術がよく分からないと、投資判断を誤ることがあるため、技術が分かる人材を必要としているとのことでした。特に当時は、私がカバーしていた研究分野の人材に興味があったようです。
最後に、同業他社。やはり培ったスキルをそのまま活かすならこの選択肢が一番でしょう。ただ、年収が上げられるかどうかは、向こうの評価次第という状況でした。このように、選択肢があまり多くなかったため、絞り込むことなく全てチャレンジしてみることにしました。
転職活動
まず外資系メーカーですが、こちらは日本企業のように、研究開発拠点をこちらに置くというスタンスではなく、他社とのコラボレーションをリードできる人材を探しているようでした。技術者としての評価は、十分していただけたようでしたが、1社目でマネジメント経験が乏しいことが、先方の希望とは違ったようでした。これが理由で残念ながらご縁なし…。今回は外資系企業でしたが、転職活動全体を通じて、特に日本企業でキャリアアップするためには、このマネジメント経験の有無がネックになるなと感じました。
次に商社です。こちらは玉手箱という筆記試験がありました。この類のテスト、学生時代の就職活動以来でしたので、まずは「玉手箱って何?」と調べるところからのスタートでした…。色々と調べてみると、制限時間内に色んなジャンルの問題を解くテストのようでした。
この手のものは、とにかく問題の数をこなして慣れておかないとダメなやつですね。
ということで、過去数年の問題集を購入し、寝る前や週末に問題集のタイムアタックを繰り返し行い、受験日までにコンディションを上げておきました。練習の甲斐あって、何とか商社の筆記試験も無事に通り、面接まで進むことができました。面接場所は、勿論商社のビルです。私は首都圏に居ながらも、東京に行く機会があまりなく(機会を作りもせず…)、東京のことはよくわからない田舎者だったので、会社の場所にはびっくりしました…。
こんなところで働いている人が居るのだなと、当たり前なのですが、圧倒されましたね。
商社の面接ですが、応募しておいてなんですが、私みたいな理系の研究者を本当に採用する気があるのか、実はずっと疑問に思っていました。面接の時に、思い切って聞いてみましたが、商社としても、技術が良く分からない状態で、大きな投資判断をすることができず、技術が分かる人間は必要とのことでした。まさにエージェントが言っていたのと同じことでしたね(寧ろエージェントさんが、先方にこう言われたのでしょうけど)。
しかし、技術と一口に言っても、専門分野は多数あります。もし専門ではない分野についてもカバーするとなった場合、投資判断材料を提供できるレベルにまでしようとすると、技術者でない人よりは早いでしょうが、それでも時間がかかるはずです。それに、自分の専門分野のプロジェクトがひと段落したら、その人には、その後のキャリアでどういった役割が残されるのだろうと心配されました。
採用してもらっても、研究畑の人間は、商社マンに必要なスキルを短期間で身に着けていかないと置いて行かれて、結局長く働けないということになる気がしたのです。この点についても聞いてみましたが、そんなことはないと思うよと否定されてはいましたが、具体的で納得性のある回答はなかったです。
面接に通ったとして、この世界に飛び込んで良いものだろうか…、等と悩んでいましたが、不採用とのことで、悩む必要はありませんでした…。
2社目の決定
外資系メーカーにせよ、商社にせよ、職場は都心だったので、通勤も十分圏内。子供が生まれない限りは、手狭にもなりませんし、転居することなく過ごせそうでした。ですので、これらの会社とご縁がなかったことはとても残念でしたが、やはり一番フィットしそうな同業他社への転職活動に切り替えました。同業他社といっても、年収増が見込める企業は大手2社くらいしかありません。まずは1社目と規模が近い方に当たってみました。
こちらは、私の研究成果等も知ってくれていたようですが、それが良い方にも悪い方にも働きました。成果を考慮してくれた結果、年収レンジを上げられるよう、より高いポジションでの求人を検討してくれたのです。ところが、その枠を用意することが、そのタイミングでは難しかったようでした…。
やはり私のマネジメント経験不足も、その要因のひとつだったかもしれません…。
では、もっと低いポジションではどうかというと、流石に年収が大きく増えませんでしたので、この会社とも結局ご縁はありませんでした。もう残るは業界最大手です。ここは常に募集は出しているけれど、採用された話は滅多に聞きません。余程選り好みしているのか、募集取り下げるのが面倒なだけなのか…。ダメ元でチャレンジしてみました。流れとしては、こちらも筆記試験が必須とのこと。これは商社以外では初めてでしたね。ちなみに、こちらは玉手箱ではなく、SPIでした。
商社向けの玉手箱の訓練をしていたばかりでしたし、はっきり言って商社の問題の方がレベルが高かったので、この会社のSPIは特に苦労なく解けました。商社対策がこんなところで役に立つとは…。その後、無事に面接に呼んでいただけました。県外にあるため有休を取得して向かいましたが、結構遠かったです…。そして、流石業界最大手。敷地も大きすぎて、敷地内だけでも結構歩きました…。
駅からもちゃんと遠かったですしね…。
1次面接の面接官は2名居り、どちらかの部署で働くことになるのだろうと推定されました。1名は本社、もう1名は研究所から来ているとのことで、私にはどちらの可能性もあるのだなと思われました。いずれにせよ転居する必要があるでしょうし、そうなると、立地から考えて本社の方が良いなと思っていましたが、スキルを磨くことを考えると研究所の方が良く、迷っているところでした。
そんな思惑もありながら面接を受けます。面接の際、研究所の方の質問に、やはりマネジメント経験についてのものがあり、これが不足している点を残念そうにされていました。その他、この方は態度的にも色々と失礼なところがあり、一緒に働きたくないなぁ…などと考えていました。この業界最大手、社員の態度が横柄という噂を聞いていましたが、あながち間違いではないな…と思ったものです。一方で、本社の方はまだ礼儀正しく、好感が持てました。そして、面接の最後の方で、
と聞かれましたので、その時には迷わず
「本社です!」
と答えておきました。しかし、結果的には研究所で採用…。なんで聞いたの?
結局のところ、業界最大手の同業他社から採用いただくことになりました。具体的な年収については、後日人事の方から連絡があり、「同世代の平均以上の評価はさせていただく」とのことで、希望通りに年収も上がることになりました。これまでに研究成果を外部から可視化できるよう、3Pのアウトプットを頑張ったことが功を奏したのだと思います。
改めまして、研究者のアウトプットの3PはPatent(特許)、Paper(論文)、Presentation(学会発表)です
こうして私の最初の転職活動は無事に終了しました。ただ、やはり購入した自宅からこの会社には通勤できませんでしたので、転居が必要でした。ということで、この自宅を、人生初めての賃貸に出すことになりました(冒頭の記事の通りです)。
今回は以上です。この転職活動では、アウトプットを可視化してきたことが功を奏しましたが、やはりマネジメント経験は重要だと思いました。個人的には欲しくない経験なのですが、行きたい企業がそれを望む以上は、そういった経験を積んでおいた方が良かったなと思いました。経験の引き出しが多いに越したことはないでしょうから、嫌がらずにやっておけば良かったです。皆様も、経験を積むチャンス、なるべく逃さないようにしていただければと思います。では、その後のキャリアについては、また別途記事にします。