青色申告申請書の記入
以下の記事で、個人事業を始めるにあたって、税金についての基礎的なお話をさせていただきました。その中で、雑所得よりも事業所得の方が、税制面でのメリットがあるとお話しました。
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そのメリットを最大化するために必要な手続が、青色申告です。今回は、青色申告についてお話したいと思います。青色申告者として認定されるためには、青色申告承認申請書というものを、納税地を管轄する税務署に提出する必要があります。
その年度の確定申告から適用を受けるためには、青色申告承認申請書を基本的に開業から2ヶ月以内に提出する必要があります。(1/1~1/15の間に開業した人は、3/15が期限になります。)青色申告承認申請書は税務署でもらえますが、以下の国税庁のサイトからダウンロードもできます。こちらの方が便利ですね。
最大65万円の控除を受けたい場合には、間違いのないように記載しないといけません。申告書の書き方については以下のようなサイトを参考にされると良いと思います。
もし、別の事業等で青色申告承認済みであれば、改めて提出する必要はありませんので、ご注意ください。
開業届
次に開業届について、簡単に説明したいと思います。開業届の提出は青色申告を受けるためには必須です。ただ、これらを提出すると勿論毎年確定申告しなくてはいけませんし、その手間も煩雑になります。最初は試しで副業してみるだけで、あまり活動する予定でないといった場合では、敢えて提出しないという選択肢もあるかと思います。
あまり副業で利益を得られる見込みがないのであれば、税控除の恩恵も大きくないでしょう。そうなると、確定申告の手間が煩雑になることに見合わないかもしれません。白色申告でも10万円の控除額がありますし、帳簿をつける必要もありません(領収書等は保管する必要はありますよ!)。その程度の利益しか出ないということであれば、無理に青色申告せず、白色申告で済ませるという方法もアリだと思います。
確定申告の手間以外のデメリットとしては、開業届を出すと失業手当が受けられなくなります。開業届を提出してしまうと、仕事を始めたということになりますから、失業状態ではないとみなされます。失業中の開業届提出ではなく、開業届を提出後に本業を退職した場合も勿論、完全に失業したわけではないということになり、同様に失業手当は受けられません。そういった予定や可能性がある方は、開業届や青色申告承認申請書の提出については、計画的に行った方が良いでしょう。
開業届についても、先程のサイトを含めて、色々なサイトが書き方について解説してくれていますので、それらをご参考になさって下さい。また、開業届の提出は事業開始から1ヶ月以内とされています。しかし、これに違反したとしても特に罰則はありません。それでも、青色申告するうえで、開業届の提出が必須であることには変わりありませんから、どちらも同時に提出すると良いかと思います。
開業届を提出した場合には、控えをもらっておくことを忘れないようにしてください。銀行口座の開設や、銀行から融資を受けたりする際に必要となります!
会計ソフト
次に会計ソフトについても触れておきたいと思います。青色申告には決められた帳簿の作成と保管が必要です。会計ソフトはそれを助けてくれる強力なツールです。
実は賃貸物件を初めて所有した際に、その収入分を確定申告するために、自分で帳簿を作った経験があります。賃貸物件ひとつくらいなら、家賃収入と管理費用の支払いくらいですので、帳簿と言っても簡単なもので済みますし、自分でExcelか何かで作っても十分対応できました。
とはいえ、初めてのことでしたし、この時は色々と勉強する必要がありましたが…。
では会計ソフトってなくても良いのでは?と考えるかもしれませんが、取引先が増えたり、それに伴って入出金の数や種類も増えたりすると、やはり会計ソフトがあった方が楽だと思います。プラン次第ですが、それほど高額なものではありませんし、無料体験もできたりしますので、まずは会計ソフトがどういったものか、試すだけでもしておいた方が良いかと思います。
さて、会計ソフトとしては、freeeと弥生のシェアが高いです。その他、マネーフォワードもあります。家計簿ソフトで有名ですし、なじみやすいという方も多いかと思います。こちらもシェアが高いようです。
今後そのビジネスを伸ばして、税理士の先生のお世話になる可能性も考慮すると、やはりユーザー数が多い会計ソフトの方が、税理士さんに対応してもらえる可能性が高くて安心かと思います。このいずれかであれば、概ね大丈夫かと思います。ではどちらにするか。私の周りからはfreeeの方が良いという話も聞きましたが、私にとってはどちらも必要なことはでき、大差ないように思いました。ですので、私はコストの安かった弥生クラウドにすることにしました。
後日開始した不動産事業の方ではfreeeを使っており、両方試しているところです。
プランはいくつかあります(詳細は企業サイトをご参照ください)。それらの違いは、どの程度サポートが受けられるかという点です。使ってみて、やはりサポートが必要と感じるようであれば、プラン変更すれば良いかと考え、まずは一番お安いセルフプランから始めることにしました。無料体験プランというものも用意されているようですので、こちらから始めて、会計ソフトにまずは触れてみると良いかと思います。
以下、今回紹介した会計ソフトのリンクです。
ちなみにセルフプランでは1年間は無料でした(いつまでやってくれるか不明ですが)。
同じ無料で試せるのであれば、無料体験プランでなく、セルフプランで良いかもしれません。
実際使ってみた感想としては、データはクラウド上で保管され、どの環境からでもブラウザから利用できるので、とても便利でした。もっと便利な機能として、クレジットカードや口座を連携させると、データを取り込んでくれるという機能もあります。
立替払いなどせずに、きっちり分けたいという方には、とても便利な機能だと思います。
ただ、私は個人事業用のクレジットカードを作成したりしませんでしたし、銀行口座はあっても、そこまで入出金が頻繁ではなく、寧ろ個人での立替払いの方が多かったので、これらの機能は特に使いませんでした。その結果、ほとんど手打ち入力になりましので、自分でExcelに帳簿つけるのと大差ないのでは?とも思いましたが、それでもやはり、青色申告に必要な帳簿が正しく保管されているという安心感は大きいです。なんといっても、会計ソフト経由で確定申告もできますから、やはり導入しておいても良いかと思います。
今回は、青色申告と開業届の提出、会計ソフトについて紹介しました。次回は、銀行口座についてお話したいと思います。