目標値の算出
これまでに、私がひとまず目指すべきはFIREのスタイルについて考えてきました。その結果、Barista FIREとSide FIREが私に適しており、それらを行き来するといった生き方も望ましいという結論になりました(以下の記事参照)。
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目指したいFIREのスタイルが決まったところで、具体的な目標値について考えてみたいと思います。ここで目標値と言っているのは、具体的には、必要な資産の額です。まずFIREを達成している状況というのは以下の式が成立しているということですよね。
資産運用益 + 労働収入(Barista FIREまたはSide FIREの場合) > 支出
ここで、
資産運用益 = (必要)資産額 x 利回り
ですから、資産運用益は、利回りを仮定すると求められます。利回りは、一般的に4%とされることが多いので、私もその数値を採用したいと思います。では、これを踏まえて、上の式をもう少し詳細にしてみます。
ちなみに4%というのはアメリカS&P株の成長率である7%から、インフレ率3%を差し引いたもので、一応根拠のある数字です。
必要資産額 x 利回り + 労働収入(Barista FIREまたはSide FIREの場合) > 支出
ということになりますね。ですので、あとは年間の支出と労働収入が決まれば、必要な資産額が決まるということになります。
必要資産額の算出
ではまずは、年間の支出についてです。支出を計算するために、目指すFIREのスタイル(以下の記事)のところで使用した生活費と家賃のデータを使うことにします。
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私には特にお金がかかる趣味があるわけではありませんので、平均値で特に問題ないように思いましたが、平均値には、冠婚葬祭などの特別な出費が含まれているのか、医療費は適当かなど、若干の不安がありますので、安全を見て、平均の2割増しとしておきたいと思います。
そうすると、生活費は26.6 x 1.2 = 31.92万円/月、家賃は15 x 1.2 = 18万円/月となります。合わせて約50万円ですね。1年あたりですと、600万円ということになります。
正直言って、ちょっとびっくりする金額になりました…。そもそもフルタイムで働いている今の時点でこんなに払ってないよね?と目を疑いました。
平均って結構お高いんですね…。 まぁ今後の教育費等もありますし、ある程度安全を見ているので仕方ないと気を取り直して、計算を続けます。
次に、BaristaであれSideであれ、仕事をするわけですから、そこから得られる収入を予測したいと思います。私が考えているBaristaの仕事として、大学等の技術職員や非常勤職員が、一例としてあります。この平均的な年収を参考にしたいと思います。といっても大学の技術職員の給与、なかなか幅が広くて予測が難しいです。検索してみると、正規雇用の方はそれなりの年収が得られるようです(以下リンク参照)。
【2023年】国立大学職員の年収・給与は?公務員職の年収と比較!【国立大学法人への就職】
しかし、フルタイム勤務するのであれば、ただの転職で、FIREではありませんよね。そして、例えば週2勤務にするからといって、単純に2/5倍して良いものかというと、違う気もします。
パートとして計算すると、時給は多くのところで1430円~のようです。ひとまず1500円として、週20時間しか働かないとすると、夏休み等も考慮すると、年間だとその12倍とはいかないでしょう。厳しめに10倍とすると、年収120万円です。税金等も考慮すると手取りはもっと少ないですね。以下を参考にすると、手取りは約83万円です。
年収別 手取り金額 一覧 (年収100万円~年収1億円まで対応)
一旦この仮定を元に、必要資産額を求めてみます。先程の式に、年間支出、手取り収入、利回り(4%)を代入すると、なんと1億3千万円程と出ました! もうFat FIREと大して変わらないですね。
パート収入120万円は焼け石に水ということですね…。
高額な試算結果を受けて他の可能性を考えてみる
試算結果を受けまして、やはり年間支出を過剰見積りしている感はあります。しかし、あまり甘い見積もりをしてもいけませんので、過剰見積りの恐れがあることを考慮しつつ、この数値を継続して使用します。
次に非常勤講師の場合も調べてみました。こちらも相場に幅がありましたが、1コマあたりの単価が1万円で一旦見積もってみます。それを週に3コマ担当したとして、やはり週に3万円。上のパートと同じですね…。こちらもやはり焼け石に水ということです。実際にパートの年収を調べてみると、相当の資産がないと、とてもBarista FIREなどと言っていられないことが分かります。
もっと収入が得られる働き方を考えなくてはいけませんね…。
もっと収入が得らえる働き方としては、顧問という働き方があります。顧問と聞くと、大企業の役員が退任後に就くポストであったり、省庁からの天下り的なものを想像してしまうかもしれません。彼らは役員と同等の待遇を得られるでしょうから、フルタイム勤務と同等以上の収入が得られるわけで、その時点でBarista FIRE達成でしょう。
しかし、ここでいう顧問はちょっと違います。前者は、その顧問の過去の肩書や人脈を活用してもらうものが多いと思いますが、後者の顧問は、専門分野で培ってきた経験を活用するものです。ただ、雇用形態が正社員と異なり、単価はそれなりである一方、非常に不安定な立場になります。
この場合でも、給与には大きな幅があって、なかなか見積もれない部分があるのですが、これまで出会って来た顧問の方の収入をお聞きすると、出社日数あたり2~3万円というパターンが多かったです。
ひとまず、単価を2万円、出社日数を週2日としてみますと、週に4万円。月だと16万円です。年収は192万円になりますね。手取り収入は約153万円になりますので、パートや非常勤講師よりは、やはり増えますね。それでも、必要資産は1億1200万円程です…。
顧問のような働き方で、何年も継続して働くことは簡単ではないでしょうから、そのリスクも考えると、この額でも少し甘い見積もりかもしれません。計算の仮定については、まだまだ検討の余地はありますが、実際に計算してみると、Barista FIREを達成するためには、1億以上の資産が必要だと思われます。なかなか容易ではないという、厳しい現実を目の当たりにしました…。
では、次回はSide FIREのケースについては、また試算してみたいと思います。