FIRE

目指すFIREのスタイル

特性と実現性を考える

以前、FIREには一般的に4種類あること、そしてそれぞれの考え方についてお話ししました(以下の記事をご参照下さい)。今回は、それらのうち、私が目指すべきものはどれかということについてお話ししたいと思います。

関連記事FIREの種類

続きを見る

当初の目的を忘れないために、ここでもう一度述べておきますが、目指すFIREのスタイルを決めるのは、目標値(ゴール)を設定するためです。目標値が決まれば、目標とする期間でそれを達成するために、どういったアクションが必要かを考えることができますので。そのために、まずは4つのスタイルのうち、それぞれの特性やその実現性を考慮して、どのスタイルを目指すべきか考える必要があります。

自分に合うFIREについて考える

Fat FIRE

それでは、4つのスタイルについて、順次考えてみます。まずはFat FIREです。やはり最終的に行きつきたいところはこれでしょう。それは誰しもそうかと思います。以前述べたように、贅沢のレベルは人それぞれですが、何か買う時や、レストランに入った時に、特に値段を気にすることなく暮らして行きたいものです。

FIREできたとしても、流石に、入るお店は選びますけどね。(敷居高いの苦手ですし…。)

これを達成するためには、とにかく巨額の資産が必要だと思います。総務省の統計(2021年度)である「家計調査 世帯人員・世帯主の年齢階級別(表4)」によると、3人家族の家賃を除く生活費の全国平均は約26.6万円/月だそうです。(統計局のサイトには最新情報が更新されています。)

統計局ホームページ/家計調査

家賃は地域によって格差が大きいですし、親と同居というパターンもありますから、一概には言えませんが、首都圏なら15万円ほど必要になるかと思います。Fatなわけですから、生活費は平均からざっくり5割増し、とひとまず考えましょう。家賃も、Fatということであれば、きっと良いところに住むでしょうから、こちらもひとまず5割増しと考えると、月の出費は62.4万円となります。

想像している贅沢だともっとかかりそうですけど、意外と安いなという印象…。

年間の支出だと約750万円ですから、資産の運用益4%がこれに相当するとした場合、1億8750万円の資産が必要になります。やはり宝くじでも当てるとか、起業して成功するようなことがないと到達できそうにありませんね…。

しかし、長い年月をかければ、複利の効果を活かして資産を増やすこともできますし、寿命を全うするまでの間の何年かだけをFat FIREという夢は、見続けても良いかもしれません。(その頃元気なのかという問題はありますけど…。)子供に資産を残さなくても良い人ならなおさらです。ということで、これは変わらず最終的な目標として、夢見続けたいと思います。

Lean FIRE

では、現実に戻りまして、実現性のあるFIREのスタイルについて考えます。Fat 以外の3パターンのうち、経済的な観点から言えば、Lean FIREが一番手っ取り早いでしょう。家賃や物価の安い田舎に住み、贅沢もせず、お金のかからない趣味(ちょっと思いつきませんが、散歩とか、図書館で読書とか?)をしながら過ごすことで、出費を極力下げれば、早く実現できるでしょう。

ざっくり、先程の平均から、生活費も家賃も1/3程度(生活費: 約8.8万円、家賃: 5万円)で生活したとすると、月に約14万円の支出です。年間で168万円ですね。先程と同様に、運用益を4%と見込んで必要資産を求めると、4,200万円で実現可能です。やはりFat FIREに比べて非常に簡単に思えます。

しかし、私にはそれほど魅力がある生き方には思えません。まず、大病を患ってしまったりして、急な出費が必要になったり、大病でなくても、持病を持ってしまって医療費の負担が増えるということもあり得ます。ギリギリの生活費でやっていくということは、それだけ条件の変動に対して脆弱ということです。

資産の運用益も4%と見積もっていますが、勿論それを下回ることもありますし、税制や社会保険料の負担など、ルールが変わることもあるわけです。そういった条件の変動に対する不安を抱えながら、ただでさえ楽ではない質素倹約を続けることは、なかなかのストレスだと思います。

そして、質素倹約生活をしていると、他人との関わり合いにも悪影響があるように思います。誰かにお祝い事があっても突然の出費に悩まされるでしょうし、外で友人と会うなどの場合には、交通費や外食費といった、普段の生活からすれば不要不急の出費が気になるでしょう。

子供がいる場合はなおのことです。どこかに連れて行ってあげる際の出費もストレスになるでしょうし、子供を通じたコミュニティの広がりも不安要素になってしまいます。これらの不安から他者との関わりも制限してしまい、その結果孤独な生活を送ることにならないでしょうか。働く必要はなったとしても、そういう生活が幸せなのかと言われると、私はちょっと違うように思います。

あとは単純に、質素倹約生活を何十年も続ける自信がありません…。

ということで、Lean FIREは私が目指すべきものではないなと思いました。

以上の2つから、残念ながら、完全にリタイアする選択肢は消えてしまいました…。では、残りの2つの、働きながら達成するFIRE(REは達成できていないやつ)のうち、どちらを目指すべきか考えたいと思います。

Barista FIRE

先にBarista FIREについてですが、以前の記事でも少し述べましたが、Barista FIREで言われている働き方の、パートやアルバイトといったものが、どうもBaristaが表している(?)ゆったりとしたイメージと一致しないように思います。飲食店のアルバイトとか、ランチタイムは大汗かくくらいに忙しいですよね。コンビニエンスストアとかでも、質の悪いお客さんからクレームをつけられているかわいそうな店員さんを見かけることも多々あります。

勿論、もっとストレスの少ないアルバイトもあるでしょうし、それであればBarista FIREも魅力的なように思いますが、そういったアルバイト、そうそうあるような気もしません。であれば、本業をワークシェアするなど、出勤日数を減らすとかの方が、慣れ親しんだ職場でありながらも、責任と労働時間を減らして働くことができて、ストレス面でも、収入面でも良いように思います。

勿論、職場の人間関係がストレスといった場合は別で、本業から離れてストレスを減らさなくては、FIREする意味もありませんよね。そもそも、本業がワークシェア等の考え方に対して寛容である必要があります。それでも、本業ではなくても、これまでの経験が活かしたうえで働ける、自由な雇われ方もあるかと思います。

私の場合ですと、例えば大学や研究機関の技術職員のような働き方がこれに当てはまらないだろうかと思っています。契約形態など、よくわかりませんが、勤務日数や勤務時間の交渉はできるのではないでしょうか。やはりフルタイムに近い働き方しかできないようであれば、非常勤職員という選択肢もあるように思います。

非常勤職員が、どこまでBaristaのゆったりとしたイメージと近いかはわかりませんが。

いずれにせよ、これまで培ってきたスキルを活用できますから、突然右も左も分からないようなところからスタートするストレスは感じないでしょう。(勿論、新しいことにチャレンジしたいという方は、全く別の職種でも良いと思います。)このような条件が一部付きますが、Barista FIREは、個人的にはアリだと思いました

Side FIRE

最後はSide FIREですね。こちらの働き方は、起業やフリーランスといったものが想定されています。起業と聞くと、ものすごく大変なイメージですが、フリーランスが高じた、マイクロ法人くらいのイメージで考えて良いかと思います。いずれにせよ、企業や団体に所属するのではなく、自分が責任者である点が、Baristaとの違いだと理解しています。

自分が責任者ですから、自分で仕事が(ある程度)選べるということになりますね。 責任(ストレス)は勿論ありますが、自分の好きなように仕事の量を調整するできる点が、大きなメリットだと思います。ただ、安定性には欠けるでしょうか。フリーランスにせよ、起業にせよ、仕事量をセーブすることは比較的容易かもしれませんが、もう少し収入が欲しいと思っても、そう簡単に仕事を増やせるわけではないかと思います

私も個人事業を行っていますが、今は年に数件の依頼を受ける程度にしています。増やそうとすると、営業活動が必要ですが、正直言って簡単だとは思えません。こういったデメリットはありますが、それでもやはり、自分の好きな時に好きなだけという働き方はとても魅力的です。Side FIREも、私にとっては丁度良いスタイルのように思いました。

結論として、Barista FIREもSide FIREも魅力的でした。(どちらも近しい考え方ですので、当然と言えば当然かもしれませんが。)また別途、これらの近しいスタイルについて、もう少し詳細な比較を行ってから、ゴールを設定したいと思います。

  • この記事を書いた人

nozy

40代理系サラリーマン|キャリアアップ、転職、副業(複業)、不動産事業などにチャレンジしながら、FIREを目指して奮闘中

-FIRE
-