資産運用

恐ろしい信用取引体験

初めての信用取引

FIREを達成するためには、資産運用は不可欠ですが、リスクが必ず伴います。そのリスクを軽視すると非常に危険です。誰しも失敗を経験しながら成長してきたのだと思います。勿論、私にも失敗の経験があります…。若かりし頃の失敗について、以下の記事でお話してきました。今回は、信用取引口座を開設できてしまった回の続きで、実際の取引について述べたいと思います。

関連記事投資デビュー

続きを見る

関連記事信用取引の怪しい魅力

続きを見る

さて、信用売りについては、理論上無限大の損失が発生するというリスクがあったことと、そもそも私が売りからスタートするということが、当然ですが初めてで、取っつきにくかったこともありましたので、信用買いを始めました。

信用取引を行うためには、保証金が必要でしたね。私の場合は、その証券口座に現物買いで保有していた株があり、これを保証金として利用しました。(現金も多少はありましたが、基本的に株にしてしまっていましたので。)保証金の準備もでき、いざ信用取引を始めました。

信用取引以前に、多少の社会人経験はしているとはいえ、銘柄に対する知識や財務諸表を読む能力等は、二十歳の頃から大きく成長していません。それなのに、また個別株投資に全振りしていたのですね。今考えると本当に恐ろしいです。

またも発生したビギナーズラック

さて、初めての信用取引ですが、最初はおっかなびっくり、あまりレバレッジをかけませんでした。そして今回も、ビギナーズラックなのか多少値上がりしたわけです。またもや目標株価等も設定していませんから、どこまで上がるかなんて考えておらず、嬉しくなって適当なところで利益を確定しました。そこで小さく勝ってしまったことで、

「もっとレバレッジを利かせておけば良かった」
「やはり自分の見る目は正しかった!」

などとおかしな考えをしてしまったのです。ビギナーズラックで買っただけなのに、儲かったことに気を良くして、次のターゲットを探します。何かないかと探しているうちに、過去に自分が投資した銘柄が安くなっていたのを見つけました。

「この株なら、○○円くらいまでは上がっても良いはず!」
「過去に投資した銘柄だから値動きはある程度分かっている」

などと考え、この銘柄に投資しました。しかも、

「前回は試しであまりレバレッジをかけなかったから、利益が小さかった」
「今回はもっとレバレッジを利かせよう!」

と、ハイリターンを狙うばかりで、ハイリスクであることを忘れて投資したのです。

追証の発生

ということで、大きくレバレッジを利かせて、信用買いを行いました。しかし、なかなか思うように値が上がらず、膠着状態という印象でした。初めはやはり気になって、ちょくちょく株価をチェックしていたのですが、膠着状態が続いていたことと、仕事が忙しくなったこともあり、株価のチェックの頻度は低下していきました。そんなある日、出張でしばらく自宅を離れていた時のこと、出張先での仕事を終えてホテルに戻る途中に携帯を確認すると、

「追加保証金の入金が必要」

とのメッセージが入っていたのです…。

ここで、追加保証金について簡単に説明します。 信用取引では、保証金をベースにレバレッジを利かせた投資ができるわけですが、そうして購入した株(買建玉といいます)が値下がりし、価値が下がってしまうと、その価値の低下分だけ、保証金の保証能力が低下するのです。そして、追証ラインと呼ばれる委託保証金維持率が、ある閾値を下回ってしまうと、追加で保証金を入金(追証)しなくてはいけないのです。 詳しくは以下をご参照ください。

信用取引が「危険」と言われる理由│信用取引 気になるポイント│SMBC日興証券

話を戻しまして、追加保証金の入金が必要とのことでしたが、個人PCを出張に持って来ては居ませんでしたし、今のようにスマホで簡単に取引ができるという状況でもなかったため、帰宅するまでは対応が取れませんでした。出張中に株価が大きく動くという可能性に対して、リスクヘッジできていなかったのです。しかし、そんなことを言っても始まりません。運悪く、出張中に大きく値を下げてしまったわけです。

株価だけは、なんとかチェックできましたが、元々いくらで買ったのかも正確に覚えていませんでした。結果として、どれくらいの損失が出たのかきちんと把握できず、そこまで深刻にリスクと考えられていなかったように思います。

反対売買の強制と損失確定

では追証が払えないと、具体的にどうなるのでしょうか。まず、その反対売買が強制的に実施されます。私の場合は信用買いでしたので、強制的に売却されたわけです。もう少し待って、もし値が上がれば、損失の補填どころか利益を出せる可能性があったとしても、有無を言わせず売却されるのです。

私の場合は、追加保証金を現物買いの株で担保していたので、それも強制的に売却され、証券会社に回収されました…。それでも不足する場合は、支払いが必要です。支払いが遅れれば損害遅延金が発生しますし、ずっと支払えないでいると、最悪の場合は裁判所から請求されることになるそうです…。そしてそこでも払えなければ、勿論その他の資産の差押えです。

私の場合は、その証券口座に保管してあった現物株で足りましたので、それ以上の支払いを請求されることはありませんでしたが、それでも大きな損失が出たのは確かでした…。結局のところ、トータルで100万円程失ったように思います。というか、ショックすぎて記憶があやふやです…。もの凄いショックで、しばらく誰とも元気に話せなかったことと、もの凄く胃が痛くなったことは覚えてます。

働き始めて、ようやく生活が軌道に乗ったかというところでの100万円(記憶があやしいですけど)です。今の私にとっても勿論大金ですが、当時の私にとっては、半年から1年ほど生活を切り詰めて、ようやく貯められる資金だったわけです。そういうことを考えれば考えるほどショックで、しばらく立ち直れなかったです。

そして、その後数年間、私の信用取引口座は凍結されまして、信用取引はしたくともできない状況になりました。(勿論、こんなに痛い目に遭っているわけですから、とてもするつもりになれませんでしたが…。)とても辛い経験でしたが、この大きな失敗をしたことで、何かしら成長した(と思いたい…)のです。

少なくとも、自分の未熟さはよく分かりました。加えて、投資の本当のリスク、分散投資の重要性などを理解できたのは、この時の経験が大きかったと思います。 私の過去の投資話、もう少しだけあります。また次回お話ししたいと思います。

  • この記事を書いた人

nozy

40代理系サラリーマン|キャリアアップ、転職、副業(複業)、不動産事業などにチャレンジしながら、FIREを目指して奮闘中

-資産運用
-