キャリアアップ

2社目の問題点

期待外れだった業界最大手

フルリフォームした2度目のマイホームでの生活は、なかなか快適的でした。しかし、またも転職を理由に転居することになりました。無事に後輩に個人売却でき、不動産に関する経験値はどんどん積みあがりました(詳細は以下の記事をご参照ください)が、キャリアの方も上げていかなくてはいけません。今回は、2社目を退職するに至った、2社目の問題点についてお話したいと思います。

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超有名巨大企業である2社目を退職することを決意しました。実は退職については、転職した当初から考えていました。と言っても、転職する前は勿論、悪い部分は多少はあるだろうけれど、総じて良い環境だと思ったから転職したわけです。それが期待していたものとは大きく違っていたからです。まず期待していた点は、以下です。

  • 1社目よりも潤沢なリソース(人、モノ、カネ)を活用できる
  • 1社目よりも優秀な人材が多数おり、彼らと仕事することで成長できる
  • 1社目よりも技術レベルが進んでおり、多くの情報も入手できる

1社目と同業他社とはいえ、ダントツの業界最大手ですし、誰もが知る超有名企業なので、外から見る限りでは、上記を期待してしまっていたわけです。 しかし、正直言って、どれも期待外れでした…。ではそれぞれが如何に期待外れであったか、述べていきたいと思います。

無駄が多い体質

まずリソース。これは確かにありました。人も多いし、設備も多数、予算も潤沢でした。しかし、それらの使い先がほぼ決まってしまっているのです。無駄に多い人材も、会議体を増やす理由にしかなっていませんし、彼らも仕事をしなくてはいけませんから、リソースを確保したがるわけです。

結局リソースは取り合いになりますし、確保されている潤沢な予算も、高額な材料費でまず消え、自社でリソースを取り合った結果、社外に外注せざるを得なくなった外注費用に消えます。

正直なところ、外注した方がしがらみもなくてやりやすかったですしね…。

全く無駄がない会社なんて無いとは理解していますが、無駄を省くことを会社の文化としているこの企業で、こんなにも無駄が存在していることにがっかりしました。

優秀な人材はどこへ?

次に人材。確かに優秀な人材は居ました。1社目に居た時から、学会等でお会いした、この会社の研究者達は素晴らしい技術力をお持ちでした。しかし、入ってみて分かりましたが、そんな人達は本当にごく一部でしたし、そういった優秀な人材は皆、私が入社した頃には閑職に追いやられてしまっていました。 理由は簡単で、単なる社内政治です。優秀な人材は、ただ出世したいだけの人からすれば、時として邪魔な存在なのです。

この会社は、新卒採用時に社員をランク付けするそうで、そのランクが高い人が出世するような仕組みだそうです。その人が、新卒時から成長しようがしまいが関係ありません。その人が出世できるよう、その人の成果を作るのです。その人の成果を作るために、わざと悪い環境を利用することもあります。最悪の環境を少しでも良くすれば、それが成果ということになるようです。

また、研究者をコロコロと違う部署に異動させたりすることも良くありました。その結果、一つのテーマを突き詰めた専門家が居ないという事態に陥ります。専門家が居ませんから、その周囲の技術レベルは当然落ちます。そして皆勉強はしません。どうせすぐに異動しますし、それよりも社内政治を頑張った方が良いと考えるからです。このような環境でしたので、正直言って優秀な人材と仕事をすることも、ましてや成長することも叶わないと、転職して直ぐに気が付きました。

技術レベル

最後に技術レベルです。もう取り立てて言うことはありませんね。前述の通りの環境でしたので、技術レベルが高い人材が育つはずがありません。時折見かける優秀な技術者は、大体が転職組です。それ以外だと、大学院で良い経験を積めたのであろう新入社員がたまに居るくらい。しかし、彼らもこの環境では恐らく優秀な技術者にはなれないでしょう。

現に、周囲に居たその会社の生え抜きの人材は、そうなっていないように思いました。彼らは、それは素晴らしい学歴の持ち主でした。日本最高レベルの大学、大学院を出た人が、掃いて捨てる程居ました。しかし、悲しいかなその頭脳を、純粋に技術に向けることはなく、社内における自分の身の安全や出世を考えることに必死なようでした。結果として、1社目よりも遥かに潤沢なリソースを持ちながらも、1社目よりも低い技術レベルでした。

転職の前に異動を希望

このような環境でしたので、転職して直ぐに、

この会社に長く居ては、人としてダメになる…。

と思いました。しかし、転職して直ぐにまた転職というのは、職歴としてもよろしくないですし、わざわざ転居してまで着いて来てくれた妻にも申し訳が立ちません。私が配属されたこの部署だけが特殊で、他はそうでもないかもしれないと考え、まずは違う部署に異動させてもらうことにしたのです。

転職して数週間過ごした頃、上司と面談の機会があり、早速部署異動の希望を伝えました。勿論、理由はやんわりとさせ、

もっと将来の技術アイデアを検討できる部署で、会社のお役に立ちたいです。

といったものにしました。 当然受け入れられるわけもなく、今任せたい研究開発について、キリの良いところまでは担当して欲しいと言われました。上司としては当然のことだと思います。任せたい仕事があり、時間と費用をかけて採用したばかりなのに、異動させてくれと言われ、わかりましたとは直ぐに言えませんよね。

では、キリの良いところまで進めますので、その後異動させていただけるつもりで居ります。

と答え、目の前の開発を進めることにしました。しかし、1社目での経験から、ある程度何をどうすれば良いかは分かっています。分かってはいるものの、環境が全く整っていないので、それを整備する地道な作業を、もう一度やり直す必要がありました。RPGのデータが消えて、途中からまたやり直さなくてはいけないような状況で、何も楽しくありません。これでは精神的に持たないので、MBAの勉強に気持ちを切り替えることにしました。 実は1社目の在職中から、MBA取得については考えていました。

1社目では、新しい研究テーマを設立することは、幸いにも何度かさせてもらっていました。しかし、それを実際のビジネスに繋げられたかというと、それはできませんでした。設定した研究テーマが、ビジネスとして成立しないという理由で、終了してしまう状況も、何度も見てきました。それらの経験から、私には経営者的な視点が不足していて、技術だけではなく、その視点からもテーマを設定できるようにしなくてはいけないと思うようになっていました。そのため、1社目退職の際に、既にMBAのコースに申し込んでおり、勉強を始めていたのです。

MBAの取得については以下の記事でもお話ししています。よろしければご参照ください。

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これをしておいて良かったです。フルタイム勤務しながらの勉強は、決して楽ではありませんでしたが、RPGのやり直しだけでは、とても精神的に持たなかったと思います。

ようやく叶った異動願

なんだかんだとその環境で1年半経過し、任された開発もキリの良いところまで来ました。その間何度も上司は変わりましたが、変わるたびに改めて異動についてお願いし続けた結果、それが申し送り事項にもなっていたようで、最終的には別の部署へ異動させてもらえることになりました。

異動先は、リソースは少ないながらも、比較的自由度が高いと思われた部署(希望通り)でした。ここでも大して変わらない環境であれば、やはり退職しようと考えた、最後の希望の地でした。そして異動先で、改めて新しい研究テーマをいくつか提案してみました。しかし、大企業ならではの問題がたちはだかりました…。「組織の壁」や「三遊間」といったものですね。提案したテーマについて、異動先の上司は

そのテーマはうちの領域かもしれないけれど、あの部署の領域かもしれないから、うちでやるのが良いのかなぁ…
とても面白いのだけど、このテーマは関連部署とも調整が…

などと言うばかりで、どちらでやるかを決めなければ、部署間との調整もやろうとしません。そして、やらないという決断すらできません。

では自部署でできるところまでやって、その結果をもって他部署と議論するのではいかがでしょうか?

と提案しても、腰が重いです。これは、この会社の評価が減点方式だからだと思います。つまり、新しいことをやって、上手くいかなかったら、評価が下がるということです。なので、誰も新しいことは始めたがりません。一方で、もし誰かが始めたことが上手くいきそうであれば、何らかの形で関わろうと群がってきます。「そのテーマに関わっている、貢献している」ことが成果になるからです。結局、異動してきても意味はありませんでした。他の部署も知ったうえで、やはりこの会社では成長できないし、有意義な仕事はできないと判断しました。

今回はネガティブな内容に終始してしまいました。しかし、改めて私がFIREを目指す理由について触れておく良い機会かと思いました。幸せは人それぞれですが、少なくともこういった問題点のある企業に所属し続けることは、私にとって幸せなことではありませんでした。今回お話した企業の中の人達も、そこに居ることが幸せだとは思えません。でも彼らはそこに居続けます。それは他に(良い)選択肢がないからでしょう。

こういった人達のようにならないよう、私は良い選択肢を持ち続けて居たいと思っています。FIREを目指していることも、キャリアを磨き続けることも、幸せではない環境に居続けなくても良いからです。

この記事を書いていて改めて、選択肢を持っておくことの重要性を痛感しました。では、次回は3社目への転職について記事にさせていただこうと思います。

  • この記事を書いた人

nozy

40代理系サラリーマン|キャリアアップ、転職、副業(複業)、不動産事業などにチャレンジしながら、FIREを目指して奮闘中

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