新天地の賃貸物件
初めてのマイホームは私にとって申し分ない立地の物件でした。しかし、仕事の関係から、そのマイホームに長く住むことはできず、賃貸に出すことになりました。それらのお話は以下の記事をご参照ください。
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住み心地の良かったマイホームに後ろ髪を引かれる思いもありましたが、気を取り直して、妻と新天地へ移住することにしました。移住先は、地方都市とも言い難い、田舎の小都市でした。
ちょっと何と言う表現が適切か分かりませんが、地方小都市と表現することにします。
遠方で、何度も物件を見に行くことも難しかったので、google map等を活用して周辺の様子も確認し、比較的住みやすいエリアの物件を絞り込みました。勿論賃貸物件です。このように十分絞り込み、色んな情報を見せたうえで、妻の了解の得た物件を実際に内見し、あとは契約するだけという状況で現地へ向かいました。
約束していた現地の不動産業者様と会い、物件を内見し、特に問題もありませんでしたので、無事に契約しました。ところが、事の経過に伴い、どうも妻の気分がどんどん沈んでいっていました…。 事前に十分な情報をインプットしたとしても、やはり現地をみることで、実際の生活感が具体的になってきたのでしょう。首都圏でしか生活したことのない妻には、地方小都市での生活は寂しいものに思えたようで、帰る頃にはすっかり意気消沈してしまっていました。
妻のメンタルが心配でしたが、まだ転職先に入社もしていない状況ですから、もっと良い部屋を探してあげている場合ではありません。というか、その都市自体の問題であれば、また転職するしか対処法がありません。ひとまずそこに入居して生活を始めてみることにしました。やはり新築分譲マンションに比べれば、設備、立地は勿論、広さなど、正直言って勝っているところなどひとつもない部屋でしたが、比較対象が良すぎるだけで、実際住んでみると住み心地は全く悪くありませんでした。
物件のトラブル
とはいえ、最初は色々とトラブルがありました。まず、キッチンシンクの水漏れ。シンク下の収納エリアに引っ越し荷物(調理器具等)を片付けていると、そこが濡れていました。どうもキッチンシンクから水が漏れているようだとわかりましたので、急いで仲介業者に連絡(オーナー様の自主管理物件でした)。すぐに業者さんが来てくれて、シンクに小さな穴が空いていることを確認し、大家さんに報告してくれました。
実は、キッチンの蛇口の位置も妙に高く、何かおかしい気がしていました。水漏れの対応に来られた業者さんも不思議そうでしたが、そこは特に対応なく、水漏れ部分を塞ぐ処理をして、様子を見るということになりました。問題が解決しないようなら、キッチン自体の交換もあるのではと、ちょっと期待しましたが、無事?水漏れは収まりました。
水漏れが収まったのは良いことなのですが、心の中でちょっと舌打ちしてしまいました。
その他、入居してしばらく、お湯が出るのがとても遅いことに気が付きました。気温が下がって来たので、朝顔を洗うときにお湯を出したいのですが、とても時間がかかります。 エコ水栓というわけでもなさそうでしたし、給湯器に問題があるような気がしました。この件も仲介業者経由で大家さんに連絡しました。どうも給湯器の寿命だったらしく、給湯器が無事に新しくなりました。この時に、給湯器の寿命が15年前後だということを学びましたん。こういったトラブルはありましたが、それ以降は特に問題なかったです。日当たりもとてもよく、良い部屋だったと思います。
近隣住民とのトラブル
ところが、部屋は良くても、近隣住民はそうではありませんでした。どうも上の階の住人が深夜に帰宅する人のようで、その生活音に悩まされるようになったのです。私は、一度寝るとなかなか目を覚まさないタイプなので、それほど気にならなかったのですが、妻にはそれが大きなストレスになっているようでした。見かねて、一度話をしようと訪ねてみましたが、どうも居留守を使われたようでお会いすることはできませんでした。
そのうち、犬が駆け回るような音も聞こえるという話になり、仲介会社経由でオーナー様に連絡を入れましたが、「犬は居ない。」と言い張られ、犬の存在は確認できなかったそうです。騒音についても、マットを敷くなど、階下に気を遣って欲しいと言ってもらったそうですが、騒音問題は変わりません。こちらとしてはやることをやったけれども、問題が解決する兆候も見えなかったことから、妻のストレスも相当だったようで、私が寝入っている間に上の階の住人に会いに行き、言い合いになったようです。このままここに居ては良くない。なるべく早く退去しなくてはと思うようになりました。
騒音問題が退去理由な訳ですから、転居先はその心配が小さいところにしなくてはいけません。となると造りがしっかりした物件ということになります。分譲賃貸などが良さそうですが、その地方小都市にはあまり数がありませんでしたので、これは購入するしかないかもしれないと思うようになりました。
掘り出し物?
ではどこに購入するか。地方小都市とはいえ、私は車を保有しない生活に満足していました。駐車場、保険、維持費等の心配はいりませんし、カーシェアも増えてきていましたから、必要な場合はこれやタクシーを利用する方が、とても経済的でした。それに、万一自分の運転で事故でも起こしたら、人生大きく変えられてしまいます。となると、やはり駅チカしかありません。
ということで、地方小都市の駅チカ分譲マンションに絞って探すことになりました。いくつか新築の物件がありましたが、この地方小都市にしては価格が高すぎて、終の棲家とするならばアリかもしれませんが、転職先の雰囲気がある程度見えてきており、2度目の転職の可能性がチラついていた私には、とてもコストパフォーマンスが悪い物件のように思えました。
継続して情報収集していると、駅徒歩5分の中古マンションの情報を入手しました。しかも価格がえらく安い!価格の履歴を調べてみると、売り出し時から1年近くかけて、600万円程価格が下がっていました。これは掘り出し物のお買い得物件かもしれません!このエリア、この物件で、この価格なら全く不満はありませんでしたので、すぐに販売会社へ連絡を取り、内見させてもらうことにしました。
荒れた室内
内見の日、物件のエントランスで、不動産会社様をお待ちしていました。登場したのは、30代後半くらいの体格の良い男性でした。会ってご挨拶を済ませると、部屋に入る前にひとこと言わせて欲しいとのこと。
とのことでした。
ニンイバイキャク…?
と漢字も頭に浮かばないまま、ただ中が多少荒れているのだなということだけ理解し、内見することになりました。いざ内見してみると、確かに荒れていました…。しかも多少ではなく…。(以下に、一部抜粋してリスト化しました。)
- 部屋の中のドア:枠だけになっていてドアの体をなしていないものがいくつもありました
- ベランダのガラス: 割れて雨風が吹き込むレベルではないものの大きなヒビが入っていました
- 床板:何か重いものでも投げつけたのか、大きな傷が多数ありました
- 室:襖も障子も、ちゃんと破れていました
- 柱:刀傷みたいなものがいくつかありました(刃傷沙汰…?)
その他諸々、どうしてこんな状態になったのかと思う荒れようでした。この状況を、ちょっと呆然と見ていると、突然玄関ドアが開けられ、中年女性が不動産業者様に何かを訴え始めました。内見中に部屋のドアが開いた経験などなく(誰しもありませんよね…)、何事かとびっくりして見ていると、不動産業者様が困った様子で対応されておりました。数分の押し問答の末、その女性が帰った後に、何事ですかと聞いたところ、
とのことでした。「今も時々来るとか、そんなことあるの?というか、不動産業者って、こんな仕事もしているの?」などと思いながらも、そんな話も聞かされてしまったので、もう立ち入ったことも聞いてしまおうと、この部屋がこういう状態になった理由について聞いてみました。どうも、金銭的な問題も含め、家庭間のトラブルがあったようで、思春期の息子さんも含め、家庭内の喧嘩で部屋が荒れたらしいということが分かりました。彼らの残置物も多数あり、もう1年くらいこの状態なのに、ちゃんと片付けてくれるかのかという不安も覚えました。十分内見できたところで、
と聞かれましたが、
いや、絶対住まないでしょ…。
と当時の私達は思いましたので、リフォームのお見積りは丁重にお断りして、どこか他に良い物件があれば紹介して欲しいですとだけお願いして、その日は別れることにしました。妻とは、なかなかできない体験をしたねということで、購入する気は毛頭ない状態で、この物件の内見は終了しました。
この地方小都市で、安心して暮らせる物件探しはまだ続くことになりました。その後の経緯は、また別途記事にします。