まずは投資のスタイルを決める
以下の記事で、貯蓄だけではFIREはこんなんであり、資産運用、つまり投資が資産形成に不可欠であること、そして、投資先である金融商品が多数あることをお話しました。
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具体的にどんな金融商品を選ぶべきか、というよりは、どんな金融商品を私が選んだかが今回の記事のテーマです。というのも、金融商品の選択は各人の投資に対する姿勢に合わせるべきで、万人に対する正解はないでしょう。ですから、私が選択した金融商品(のひとつ)とその理由についてお話ししたいと思います。
上で述べたように、金融商品の選択の前に、投資の姿勢(スタイル)を決定する必要がありますので、そこからお話しします。投資のスタイルを決定するうえで、まず資産形成において重要な基本事項について述べます。それは、当たり前ですが、資産を大きく減らさないことだと考えます。
しかし、相場が大きく変動する要因は、○○バブル、□□ショック、戦争など多々ありますし、それがいつ起こるか、正確に予測することは困難です。 そして、金融商品は、株式、外貨、不動産、資源、現金等多数あり、当然ながら、リターンが大きいものほどリスクも高い傾向です。これらの特徴を把握して、これらの中から自分の投資スタンスに一致する何か一つを選択する、というのが正解かと考えていましたが、そうではないと気づきました。
分散投資の重要性
何か一つを選択することが危険である理由は、よく言われる「卵をひとつのカゴに盛るな」ということです。それぞれの金融商品は、リスクとリターンの関係も違いますが、値動きの要因も違うわけです。何か一つに集中投資してしまうと、その商品対するリスクが顕在化した場合に、資産が大きく減少してしまいます。 安全だと考えられている定期預金であってもそうです。現在のように、日本円だけが通貨安になった場合どうでしょうか。日本円としての額面は変わらないとしても、海外資産と比較すれば、相対的に価値は低下していると言えます。
生活面を見ても、輸入品は軒並み高くなっているでしょうし、輸入するエネルギー資源も高くなるわけで、電気代やガス代も上がります。 つまり、安全な銀行預金と言えども、一つの通貨だけを持ち続けること、つまり卵をひとつのカゴにいれているのと同じで、十分なリスクだと言えます。 これでは、先程の資産形成の基本に反してしまいます。
例えば、ロシアがウクライナに侵攻した際に、株価は大きく値を下げました。その一方で、ロシアが潤沢に保有する資源、例えば金やプラチナについては、大きく値を上げました。株だけを保有していたら、資産を大きく減らすことになったでしょうが、同時に金やプラチナも保有していれば、その損失は低く抑えられたでしょう。
前述したように、相場がいつどのように大きく変動するかを読み解くことは困難です。これらを考慮した結果、複数の金融商品に分散投資するということが、私の場合の正解だと考えています。
ポートフォリオを組んでリバランスする
では分散投資における、資産の配分のことをポートフォリオと言いますが、このポートフォリオについて考える必要があります。 つまり、どのようなリスクの商品にどの程度配分するかということです。 これをよく考えてポートフォリオを組んだとしても、日々の値動きによって、そのバランスは当初のものから崩れます。 例えば、株は高くなったけれども、債券は下がったなど。
この場合は、高くなった株を売却し、安く下がった債権を買い戻し、バランスを整えることが大切です。 これをリバランスと言いますが、これをした結果、バランスは当初のまま、全体の規模を少しずつ増やしていくという方法が望ましいように思いました。以上のように、私の投資スタイルは、ざっくりですが「分散投資とそのリバランス」を基本とすることと決まりました。
勿論、ポートフォリオ自体も、適宜見直す必要はあります。
ロボアドバイザー
投資スタイルが決まりましたので、次は具体的にどういった金融商品を選択するかです。しかし、数多ある金融商品を調べ、ポートフォリオを組み、相場を注視しながら適宜リバランスをするといった一連の作業を、自分で続けるかという問題があります。 勿論、自分でやれるに越したことはないですが、本業もあり、副業もあり、資格の勉強もある中、その時間を捻出することはなかなか難しいです。
ですので、それを自動で実行してくれるという、ロボアドバイザーなる金融商品が私には適していると考えました。やることと言えば、入金(あるいは積立設定)し、リスク許容度を設定するだけで、後は放置です。一般NISAにも対応している商品も、ロボアドバイザーの中にはありますので、NISA口座で迷っていらっしゃる方がいれば、是非検討されると良いかと思います。
私もNISA口座をこちらに変えようと思いながら、手続きが億劫になってできていません…。
私の場合、リスク許容度は一番高いものに設定しました。過去の実績を見ても、なんだかんだ、リスク許容度が高いものが、総じて高い運用益を示していましたので。 ロボアドバイザーの欠点を挙げるとすると、それは手数料が高いことかと思います。商品によりますが、概ね運用資産の1%が相場のようです。 めでたく4%の運用益で回せたとしても、その25%程が持っていかれるわけですから、なかなか大きいです。
実際には、さらにそこから税金(約20%)も差し引かれるわけですが(NISAなら非課税です)、これはその他の金融商品も基本的に同じですね。
しかも資産が減っても手数料は発生しますから、そうなると心情的にも辛いところがあります。ですので、ポートフォリオを自分で組み、相場を注視して適宜リバランスできる人であれば、自分でやった方が良いと思います。しかし、私はその時間を他に充てることにしましたので、この手数料はやむなしと考えました。
プロの知識を借りよう
ロボアドバイザーは、その名の通りAIを利用しているとはいえ、やはりプロの投資家の考え方が反映されています。プロの投資家と近いレベルの投資知識を得るための、時間と労力を費やさなくては、彼らのレベルまで到達できないことを考えれば、先程の手数料を支払う価値はあるかと思いました。私が多少勉強したとしても、やはり素人ですし、そもそも自己資金でやっている以上、積める経験も限られます。それに対してプロは、巨額な他人の資産を預かり、それを運用しているわけですから、経験値が違います。そして、それを生業にしている以上、日々の勉強量も違っているはずです。これらを考えると、多少の手数料を支払ってでも、お任せする価値はあると言えるのではないでしょうか。
これをもっと早くに学んでいれば、若かりし頃の失敗もなかったのかもしれません…。この経験は別途記事にします。
ということで、私は本商品の購入を決めました。その運用成績については、また別途紹介させていただきたいと思います。